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クラウドセキュリティとは?まずやるべき3つの対策と基本を解説

企業のDX推進に伴い、多くの組織がクラウドサービスへと業務システムをシフトさせています。

しかし、利便性が向上する一方で、設定の不備や不正アクセスなど、クラウド固有のセキュリティリスクに頭を悩ませるIT部門の責任者や担当者も少なくありません。

本記事では、クラウドセキュリティの基本的な考え方から、直面しやすい5つのリスク、まず実践すべき3つの基本対策、さらには運用の属人化を防ぎ安定したガバナンスを構築するための発展的なソリューションまで、実務に役立つ知識をわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. ・クラウドセキュリティとは?基本をわかりやすく解説
    1. ・なぜ今、クラウドセキュリティが重要なのか?
    2. ・オンプレミスとのセキュリティの違い
  2. ・クラウド環境に潜む5つの主なセキュリティリスク
    1. ・リスク1:不正アクセス・アカウント乗っ取り
    2. ・リスク2:サイバー攻撃(マルウェア、ランサムウェアなど)
    3. ・リスク3:設定ミスによる情報漏洩
    4. ・リスク4:データの消失・改ざん
    5. ・リスク5:シャドーIT(無許可のサービス利用)
  3. ・まずやるべき!クラウドセキュリティの基本的な3つの対策
    1. ・対策1:アクセス管理と認証の強化
    2. ・対策2:データの保護(暗号化とバックアップ)
    3. ・対策3:脆弱性の管理とログ監視
  4. ・【発展編】より強固なセキュリティ体制を築くための追加対策
    1. ・従業員へのセキュリティ教育の実施
    2. ・ゼロトラストモデルへの移行
    3. ・主要なセキュリティソリューションの活用
  5. ・信頼できるクラウドサービス・パートナーの選び方
    1. ・セキュリティ関連の認証を取得しているか
    2. ・サポート体制と実績は十分か
    3. ・属人化を防ぎ、再現性のある運用モデルを提案してくれるか
  6. ・まとめ
  7. ・株式会社システナのクラウドセキュリティ運用

クラウドセキュリティとは?基本をわかりやすく解説

クラウドセキュリティとは、クラウドサービス利用時にクラウド環境上で発生しうる特有のリスクに対して実施するセキュリティ対策のことです。

インターネットを経由してどこからでもアクセスできるクラウドの利便性を保ちながら、企業の重要な情報資産を守るために不可欠な取り組みです。

なぜ今、クラウドセキュリティが重要なのか?

近年、テレワークの普及やDXの推進に伴い、ビジネスにおけるクラウドシフトが急速に進んでいます。

しかし、自社内にサーバーを設置する従来のオンプレミス環境とは異なり、クラウド環境は社内と社外の境界が曖昧になります。

また、官公庁や業界団体、クラウドサービスプロバイダから多数のガイドラインが公開されていますが、自社に最適な情報にたどり着くのが難しいという課題もあります。

こうした背景から、複雑化するクラウド環境を一元的に監視・管理するクラウドセキュリティの重要性がかつてないほど高まっています。

なお、ポータルサイト「クラウドセキュリティの歩き方」のように、官公庁のガイドラインやホワイトペーパーを分類・検索できる仕組みを利用することも、適切なセキュリティ基準を理解するための第一歩として有効です。

オンプレミスとのセキュリティの違い

オンプレミス環境では、物理的なサーバーの設置場所からネットワーク、OS、アプリケーションにいたるすべてのセキュリティ対策を自社で設計・管理する必要がありました。

これに対し、クラウド環境では「責任共有モデル」という考え方が適用されます。

これは、クラウド提供事業者とサービスを利用する企業の双方が、それぞれの担当領域においてセキュリティ責任を分担し合う仕組みです。

この分担は、利用するサービスモデルによって大きく異なります。

SaaS (Software as a Service)

SaaS(Software as a Service)とは、クラウドサービス事業者が稼働しているソフトウェアをインターネット経由でユーザーが利用できるサービスです。
代表例として、Microsoft 365やGmail、Dropbox、Slackなどが挙げられます。
この場合、インフラやプラットフォームの安全性、アプリケーション自体の脆弱性対策はすべてクラウド事業者が責任を持ちます。
利用する企業側は、アカウント管理、データ自体のアクセス権設定、シャドーIT(無許可のツール利用)の防止といった「ユーザー側の利用方法」におけるセキュリティ責任を負います。

PaaS (Platform as a Service)

PaaS(Platform as a Service)とは、アプリケーション開発に必要なインフラに加えてミドルウェアも提供するサービスです。HerokuやGoogle App Engineなどがその代表例です。
PaaSにおける責任共有モデルでは、事業者がネットワークやOS、ミドルウェアの管理に責任を持つ一方、利用企業側は、そのプラットフォーム上で動作させる自社アプリケーションのコードの安全性、およびデータやユーザーアクセス権の管理に対して責任を負うことになります。

IaaS (Infrastructure as a Service)

IaaS(Infrastructure as a Service)とは、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのデジタルインフラをインターネット経由で提供するサービスです。Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud、Microsoft Azureなどがこれに該当します。
事業者の責任範囲は物理インフラやハイパーバイザーまでとなり、それより上のOSのパッチ適用、ミドルウェアの導入、データベースの暗号化、アプリケーションのセキュリティ対策は、すべて利用企業側が責任を持って実施しなければなりません。

クラウド環境に潜む5つの主なセキュリティリスク

クラウド導入によりビジネスのスピードは向上しますが、適切な管理を行わないと予期せぬインシデントに見舞われることになります。

ここでは、クラウド環境において特に警戒すべき5つの主なセキュリティリスクについて解説します。

リスク1:不正アクセス・アカウント乗っ取り

不正アクセスとは、悪意ある第三者が詐欺行為などを目的に不正にサーバーや情報システムに侵入する行為です。

不正アクセスによる被害には、情報漏洩による企業の重要データ流出、データの改ざん、システムの破壊によるサーバーの停止などがあります。

クラウドサービスはIDとパスワードがあればどこからでもアクセスできるため、認証情報が漏洩したり、推測されやすい簡易なパスワードを使用していたりすると、悪意ある第三者にアカウントを乗っ取られ深刻な事態を招きます。

リスク2:サイバー攻撃(マルウェア、ランサムウェアなど)

サイバー攻撃とは、サーバー、パソコン、スマートフォンなどの情報端末に対してネットワークを通じ、システム破壊やデータ改ざん、システム機能停止などを目的として攻撃する行為です。

これには悪意のあるソフトウェアを使ってコンピュータやネットワークに損害を与えるマルウェア攻撃や、ファイルを暗号化して復旧と引き換えに金銭を要求するランサムウェア、個人情報を盗み出すフィッシング詐欺、特定の組織をターゲットとする標的型攻撃などがあります。

リスク3:設定ミスによる情報漏洩

情報漏洩とは、企業が保有している情報が外部に流出することです。クラウド環境におけるセキュリティ事故で特に多い原因が「設定ミス」です。

例えば、パブリックアクセス可能なストレージに機密情報を格納して無自覚にWebに公開することは深刻な情報漏洩につながります。

また、退職した社員や関係解消した協力会社の社員へ付与していた機密情報へのアクセス権限を無効にしなければ、これも同様に情報漏洩を招く引き金となります。

リスク4:データの消失・改ざん

データの消失とは、サーバー障害やハードウェアの故障、地震や火災などの自然災害、人的ミスなどが原因でデータが消失することです。

クラウド上に保管していた業務用のマスターデータやシステムログが一度に消失、あるいは悪意ある第三者によって改ざんされると、ビジネスの継続が困難になり、社会的信用の失墜へと直結します。

情報は機密性(情報漏洩時の影響度)、完全性(改ざん時の影響度)、可用性(利用できない場合の影響度)の3つの要素に分類されますが、データ消失はこれらを著しく損なうリスクです。

リスク5:シャドーIT(無許可のサービス利用)

シャドーITとは、企業の情報システム部門などが利用の実態を把握していない、従業員が独自に持ち込んだスマートフォンやタブレット、クラウドサービスなどのことです。

業務の利便性のために従業員が個人的に利用している外部のファイル転送やチャットツールに企業のデータを流すことで、管理外の経路から情報が漏洩するリスクが極めて高くなります。

まずやるべき!クラウドセキュリティの基本的な3つの対策

複雑なクラウド環境を守るためには、どこから手をつければよいのでしょうか。

ここでは、どのような企業でも「まず着手すべき」基本となる3つの対策を提案します。

対策1:アクセス管理と認証の強化

不正アクセスを防ぐための最優先対策は、認証の強化とアクセス権限の最小化です。

不正アクセスはファイアウォール設置、多要素認証導入、セキュリティ対策が実施されているVPN回線利用、セキュリティサービス導入などで未然に防ぐことができます。

また、アクセス権限の細分化を徹底し、ユーザーごとに適切な権限を設定することで、情報漏洩や不正アクセスのリスクに備えることができます。

アクセス権限の細分化では、必要最低限の人に、必要最低限の範囲でアクセスを許可することが基本的な考え方です。

対策2:データの保護(暗号化とバックアップ)

情報の漏洩や改ざんを防ぐためには、データの暗号化とバックアップの実施が不可欠です。

データの暗号化とは、もとのデータを変換し、第三者が読み取れない形式へ変換することです。

暗号化されたデータは、適切な鍵を持つものだけがもとのデータに復号することができます。

また、データの消失は、普段からデータをバックアップしておく(デバイスの内部に保存したデータを、クラウドストレージや外付けHDDなどの外部機器にコピーして保存しておく)対策によって未然に防ぐことが可能になります。

対策3:脆弱性の管理とログ監視

脆弱性の検知とは、情報システムやネットワーク、ソフトウェアに存在するセキュリティの欠陥や弱点を発見し、特定することです。

定期的にネットワーク・OS・ミドルウェアやWebアプリケーションなどに脆弱性がないか調査する脆弱性診断を行い、発見した問題を素早く修正・パッチ適用します。同時に、いつ誰がどのデータにアクセスしたかのアクセスログ管理機能を維持し、ログ監視を適切に行うことで、異常な操作や不正アクセスの兆候を早期に検知できる体制を整えます。

【発展編】より強固なセキュリティ体制を築くための追加対策

基本的な対策に加え、複雑なIT環境で確実なガバナンスを効かせるためには、組織体制の強化や最先端のテクノロジーを駆使したセキュリティ体制の構築が効果的です。

従業員へのセキュリティ教育の実施

サイバー攻撃はセキュリティソフトウェア導入や従業員に対するセキュリティ関連の教育で未然に防ぐことが可能です。

セキュリティ対策は組織としての対策だけでなく社員一人ひとりの意識も非常に重要です。

社員の意識教育では、実際の業務で発生しうる事例を挙げることが重要であり、これにより具体的なリスクをイメージさせ、シャドーITやパスワードの不適切な管理といったヒューマンエラーを防ぐことができます。

ゼロトラストモデルへの移行

境界型のセキュリティ対策(社外と社内を明確に区別する対策)だけでは、クラウド化やテレワークが進んだ現在の多様なアクセスパターンを守りきれません。

そこで、「すべてを疑い、毎回検証する」というゼロトラストモデルへの移行が必要です。

デバイスの状態、アクセスの場所、認証情報をすべてリアルタイムで検証した上で、各リソースへのアクセスを認可します。

主要なセキュリティソリューションの活用

クラウド特有のリスクや膨大なログを効率的に管理するため、専門的なセキュリティソリューションの積極的な活用が望まれます。

CASB (Cloud Access Security Broker)

複数のクラウドサービスの利用状況を一元化して可視化・制御し、企業のセキュリティポリシーを適用するソリューションです。従業員によるシャドーITの利用を検知・規制するために大きな力を発揮します。

CSPM (Cloud Security Posture Management)

クラウド設定ミスやセキュリティ上の不備を継続的に監視・検知し、安全な状態を維持するための管理ツールです。
不適切な公開設定などの人為的ミスを迅速に見つけ出し、未然に漏洩を防ぎます。

CWPP (Cloud Workload Protection Platform)

物理サーバー、仮想サーバー、コンテナ、サーバーレスなど、異なるクラウド環境にまたがって存在するワークロード(システム負荷)を対象に、一貫したセキュリティ管理や不正検知を提供するソリューションです。

SIEM (Security Information and Event Management)

サーバー、ネットワーク、各種アプリケーションやセキュリティ製品が日々出力する膨大なログをリアルタイムに収集・統合して分析し、潜在的な脅威や不審な動きを迅速に検出する統合セキュリティ管理システムです。

信頼できるクラウドサービス・パートナーの選び方

自社のITインフラをクラウドへ移行し、安全に運用していくためには、技術的なツールの導入だけでなく、頼れる専門パートナーの選定が成否を分けます。

セキュリティ関連の認証を取得しているか

パートナーやそのサービスを選定する際、信頼できる一定のセキュリティ基準や認証をクリアしているかを確認することが重要です。

ISMSクラウドセキュリティ認証(ISO27001/ISO27017)や、政府機関での採用基準であるISMAP、米国規格のSOC2、クレジットカード保護規格のPCI DSS、その他日本国内向けのCSマークやプライバシーマークなど、自社の求める要件に応じた認証を持っているかどうかを厳格に評価します。

サポート体制と実績は十分か

技術的な提案が魅力的なベンダーであっても、トラブル発生時のサポート体制や過去の対応実績が不十分であれば、安定した運用は困難です。

オンプレミスとクラウドを併用したハイブリッド環境の設計実績や、数多くのプロジェクトを対応してきた豊富なナレッジ、24時間365日の監視体制の有無などを確認し、実務面での総合的な実行力があるパートナーを選定しましょう。

属人化を防ぎ、再現性のある運用モデルを提案してくれるか

自社にクラウド運用の経験者が少なく、特定の個人に手順や知識が依存してしまう状態(属人化)は、急な欠員時や監査対応時に重大な脆弱性を露呈する不安につながります。

そのため、単なるツールの販売ではなく、最初から作業の標準化、手順のドキュメント化、再現性のある運用のフロー設計までを包括的に提案してくれるパートナーを選ぶ必要があります。

まとめ

クラウドセキュリティは、技術的なツールを導入して終わりではありません。

多要素認証や権限設定の最適化、定期的なバックアップといった基本的な対策を継続することに加え、適切な運用設計や社員教育といった「人とプロセス」の整備をあわせて行うことで、初めて堅牢な環境が実現します。

急なインシデントへの備えや、運用の属人化に少しでも不安を抱えている場合は、設計から保守までワンストップで頼れる外部パートナーへのアウトソーシングを検討することも有用です。

株式会社システナのクラウドセキュリティ運用

クラウドへの移行や複雑なセキュリティ設計、その後の日々の運用保守までを社内だけでやり切るには、大きな労力とノウハウが必要です。

システナでは、こうしたクラウドにおけるセキュリティ・運用課題を解決する包括的な支援を行っています。

長年にわたりITインフラの構築・運用、アプリケーションの運用・保守を幅広く支援し、オンプレミス環境とクラウド環境の双方で設計から運用保守までIT基盤領域のトータルサポートを提供します。

システナ|ITマネジメント事業本部
システナ|ITマネジメント事業本部
IT戦略を実現するために、PMOや業務自動化・デジタル化推進、システム構築・運用、ヘルプデスク、人材育成などのITに関する様々なアウトソーシングサービスを提供しています。 お客様のビジネスの発展に寄与できる“お客様にとってのIT&DXサービスNo.1パートナー”を目指し、価値ある情報をお届けしていきます。

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