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CSIRT構築・運用ガイド|セキュリティ担当者の人手不足を解消する具体策

サイバー攻撃が高度化し巧妙化の一途をたどる中、多くの企業でセキュリティ業務は増大しています。

ランサムウェア攻撃やサプライチェーン攻撃など、事業継続を脅かす脅威は日々進化し、企業のセキュリティ担当者様は「人手不足」「業務過多」「インシデント対応への不安」といった課題に直面されているのではないでしょうか。

限られたリソースの中で、増え続けるセキュリティリスクに対応しなければならない現状は、多くの企業にとって共通の悩みとなっています。

こうした状況を打開する有効な手段として注目されているのが、「CSIRT(シーサート)」です。

この記事では、人手不足に悩む企業でも実現可能なCSIRTの構築・運用の具体的なステップや、外部リソースを賢く活用するためのポイントを詳しく解説いたします。

貴社に最適なセキュリティ体制を構築し、担当者様の業務負荷を軽減しながら、セキュリティレベルを向上させるための具体的な道筋が見えてくるはずです。

目次[非表示]

  1. CSIRT(シーサート)とは?基本を再確認
    1. CSIRTの定義と企業に求められる背景
    2. CSIRTの主な4つの役割
    3. 混同しやすいSOCとの違い
  2. なぜCSIRT構築は難しい?多くの企業が直面する「人手・スキル・予算」の壁
    1. 課題1:専任担当者の不足と業務負荷の増大
    2. 課題2:高度な専門知識とスキルの要求
    3. 課題3:経営層の理解と予算確保の難しさ
  3. 【実践ガイド】人手不足でも始められるCSIRT構築・運用の4ステップ
    1. Step1:構想・計画|目的を明確にし、経営層を巻き込む
    2. Step2:構築|スモールスタートで体制とルールを整備する
    3. Step3:運用|インシデント対応フローを確立し、定着させる
    4. Step4:改善|訓練と評価で対応能力を継続的に向上させる
  4. CSIRTの人手不足を解消する2つの具体的アプローチ
    1. アプローチ1:外部の専門家を活用する「CSIRT運用支援サービス」
    2. アプローチ2:ツール導入による「自動化・効率化」
  5. 【事例紹介】CSIRT業務支援で担当者の負荷を軽減しコア業務へ集中
  6. 失敗しない!外部CSIRT支援サービス選定の3つのポイント
    1. ポイント1:自社の状況に合ったサービス範囲か
    2. ポイント2:連携体制と報告プロセスは明確か
    3. ポイント3:実績と専門性は十分か
  7. まとめ:CSIRT構築は自社だけで抱え込まないことが成功の鍵
  8. 株式会社システナのCSIRT運用支援

CSIRT(シーサート)とは?基本を再確認



CSIRTという言葉は耳にしたことがあっても、その具体的な定義や役割について、正確に理解している方は案外少ないのではないでしょうか。

このセクションでは、まずCSIRTの基本に立ち返り、その正式な定義、現代の企業にとってCSIRTがなぜ不可欠となっているのかという背景、そして具体的な役割について詳しく解説していきます。

CSIRTの定義と企業に求められる背景

CSIRTは「Computer Security Incident Response Team」の略称で、その名の通り「コンピュータセキュリティに関するインシデントに対応するための組織」を指します。このCSIRTが現代の企業にとって不可欠な存在となっている背景には、主に以下の3つの要因が挙げられます。

要因①:サイバー攻撃の高度化・巧妙化
ランサムウェアによる業務停止や、サプライチェーン攻撃による広範囲な被害など、攻撃は日々進化し、企業の存続を脅かすレベルに達しています。

要因②:ビジネスのデジタル変革(DX)推進による攻撃対象領域の拡大
クラウドサービスの利用やリモートワークの普及などにより、企業のIT環境は複雑化し、従来の境界型防御だけでは守りきれない状況になっています。

要因③:インシデント発生時の事業影響の甚大化
一度インシデントが発生すれば、事業停止、顧客情報の漏洩によるブランドイメージの毀損、復旧にかかる高額な費用など、事業継続を揺るがす事態に発展するリスクがあります。

これらの背景から、CSIRTは単なるIT部門の問題ではなく、企業全体の事業継続性を左右する経営課題として位置づけられているのです。

CSIRTの主な4つの役割

CSIRTの活動は、単にインシデントが発生した際に慌てて対応するだけではありません。

インシデントを未然に防ぐ予防活動から、発生時の適切な対応、そして再発防止策の検討まで、非常に包括的なものです。

ここでは、CSIRTの主な役割を「予防(事前対応)」「対応(事後対応)」「脆弱性管理」「セキュリティ教育」の4つに大別してご紹介します。

1.予防(事前対応):インシデントを未然に防ぐ

CSIRTの役割の中で最も重要な活動の一つが「予防(事前対応)です。

これは、インシデントの発生を未然に防ぐためのプロアクティブな活動を指します。

具体的な活動内容としては、まず国内外のセキュリティ機関やベンダーから最新の脅威情報や脆弱性情報を収集・分析し、自社への影響を評価することが挙げられます。

次に、組織内のシステム構成を正確に把握し、セキュリティパッチの適用状況を管理・推進することも重要です。

さらに、セキュリティポリシーや各種規定を定期的に策定・見直し、組織全体に周知徹底することで、セキュリティリスクを低減します。

これらの地道な予防活動こそが、いざという時のインシデント対応の負荷を大幅に軽減する上で、最も効果的な対策となるのです。

2.対応(事後対応):インシデント発生時に被害を最小化する

インシデント対応(事後対応)は、CSIRTの最も中核的かつ重要な役割です。

インシデント発生の覚知から収束までの一連の流れを、迅速かつ的確に実行することで、被害を最小限に食い止めます。
具体的には、以下のステップで対応を進めます。

• 「検知・連絡受付」:セキュリティアラートや従業員からの報告を受け付け、インシデントの可能性を把握します。

• 「トリアージ(状況判断・優先順位付け)」:発生している事象の緊急度や影響範囲を評価し、対応の優先順位を決定します。

• 「封じ込め・根絶」:被害の拡大を防ぐための措置(ネットワークからの隔離など)を講じ、根本原因を排除します。

• 「復旧」:システムやデータを安全な状態に戻し、業務を再開させます。

• 「事後対応・報告」:インシデントの原因を詳細に分析し、再発防止策を策定。経営層や関係者への報告を行います。

この一連のプロセスにおいて、CSIRTは司令塔として機能し、関連部署や経営層、場合によっては外部機関とも緊密に連携しながら、被害を最小化する役割を担います。

3.脆弱性管理:セキュリティホールを塞ぐ

予防活動の中でも、特に専門性が高く継続的な取り組みが求められるのが「脆弱性管理」です。

これは、攻撃者が利用するシステムの「セキュリティホール」である脆弱性を特定し、適切に管理・対処することで、サイバー攻撃のリスクを低減する活動です。

脆弱性管理は、以下のプロセスを継続的に回すことが重要になります。

自組織のIT資産(サーバー、PC、ソフトウェア、ネットワーク機器など)を棚卸し、管理対象を明確にします。

脆弱性診断ツールや公開されている情報源(JVNやNVDなど)を用いて、潜在的な脆弱性を発見します。

発見された脆弱性の危険度を評価(共通脆弱性評価システムであるCVSSスコアなどを利用)し、対応の優先順位を決定します。

優先順位に基づき、修正パッチの適用や設定変更、回避策の実施など、適切な対処を行います。

このサイクルを継続的に回すことで、常に変化する脅威に対応し、組織のセキュリティを強固に保つことができます。

4.セキュリティ教育:従業員のリテラシーを向上させる

CSIRTの活動は、技術的な対策だけでは完結しません。組織における「人」へのアプローチ、すなわち従業員のセキュリティ意識とリテラシーの向上が不可欠です。

標的型攻撃メールの開封や不適切なパスワード管理など、人的な要因がインシデントの引き金となるケースは非常に多く、いくら強固なシステムを構築しても、従業員の意識が低ければ意味がありません。

CSIRTが主導する具体的なセキュリティ教育活動としては、全社向けのセキュリティ研修の企画・実施、実際の攻撃を想定した標的型攻撃メール訓練の定期的な実施と、その結果に基づくフィードバックが挙げられます。

また、最新の脅威に関する注意喚起やセキュリティニュースの発信も行い、従業員がセキュリティを自分ごととして捉えられるよう促します。

これにより、組織全体のセキュリティ文化を醸成し、人為的ミスによるリスクを低減する役割を担うのです。

混同しやすいSOCとの違い

セキュリティ関連の組織について議論する際、「CSIRT」の他にも「SOC」といった言葉が頻繁に登場し、混同されることが少なくありません。

しかし、それぞれの組織には明確な役割と目的の違いがあります。

これらの違いを正しく理解することは、自社に必要なセキュリティ体制を検討する上で非常に重要です。

違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。


なぜCSIRT構築は難しい?多くの企業が直面する「人手・スキル・予算」の壁



CSIRTの重要性は理解していても、実際にその構築・運用に踏み切れない企業が多いのはなぜでしょうか。

多くの組織が直面する現実的な壁として、「人手の壁」「スキルの壁」「予算の壁」という3つの大きな課題が挙げられます。

これらの課題は互いに複雑に絡み合い、CSIRT構築を困難にしています。

企業が直面するリアルな困難を深く理解することで、その解決策への期待感を高めることができます。

課題1:専任担当者の不足と業務負荷の増大

CSIRT構築を阻む最も大きな壁の一つが「人手不足」です。

多くの国内企業、特に中堅企業では、情報システム部門の担当者が他の多岐にわたる業務と兼任でセキュリティを担当しています。

日々のシステム運用やヘルプデスク対応、社内からの問い合わせ対応などに追われる中で、CSIRTが担うべき予防活動や体制整備といったプロアクティブな業務にまで十分なリソースを割くことができないのが実情です。

これは担当者の疲弊を招くだけでなく、重要なセキュリティ業務の品質低下、ひいては離職に繋がるという悪循環を生み出す可能性もあります。

課題2:高度な専門知識とスキルの要求

CSIRTの担当者には、非常に広範かつ高度な専門知識とスキルが求められます。

単にマルウェアの分析やネットワークの仕組みといった技術的な知識だけでなく、インシデント発生時に対応を指揮するプロジェクトマネジメント能力、関連部署や経営層と連携・調整を図るためのコミュニケーション能力、さらにはサイバーセキュリティに関する法規制や国内外のガイドラインに関する知識も不可欠です。

また、経営層に対して状況を分かりやすく説明し、必要な投資を説得するためのプレゼンテーション能力も重要になります。

これらの多岐にわたる高度なスキルを持つ人材は、セキュリティ市場全体で慢性的に不足しており、自社で確保・育成することは極めて困難な状況です。

この人材不足が、CSIRT構築における大きなハードルとなっています。

課題3:経営層の理解と予算確保の難しさ

セキュリティ担当者が直面するもう一つの大きな壁は、経営層の理解を得て予算を確保することの難しさです。

特にCSIRTの活動は「何も起こさないこと」「被害を未然に防ぐこと」が最大の成果であるため、その投資対効果(ROI)を定量的に示すことが難しく、予算確保に苦労するケースが少なくありません。

インシデントが発生した場合の想定被害額や、同業他社の被害事例などを提示しても、なかなか自分事として捉えてもらえず、セキュリティ対策の重要性が十分に認識されないという担当者の苦悩は尽きません。

このような経営層とのコミュニケーションの難しさも、CSIRT構築を阻む大きな要因の一つと言えるでしょう。

【実践ガイド】人手不足でも始められるCSIRT構築・運用の4ステップ



前章までで、多くの企業が直面するCSIRT構築の課題として「人手」「スキル」「予算」の壁をご紹介しました。

このセクションでは、これらの現実的な課題を乗り越え、効果的なCSIRTを実現するための具体的な方法論をご説明します。

最初から完璧なCSIRTを目指すのではなく、自社の状況に合わせて段階的に成熟させていく「スモールスタート」のアプローチを推奨します。

実践的な手順を「Step1:構想・計画」「Step2:構築」「Step3:運用」「Step4:改善」という4つのステップに分けて解説していきます。

Step1:構想・計画|目的を明確にし、経営層を巻き込む

CSIRT構築を成功させる最初のステップは、その「目的」を明確にすることと、経営層の「合意形成」を得ることです。

まず、自社にとって何が最も守るべき情報資産なのか、CSIRTを設置することでどのような状態を実現したいのか、といったゴールを具体的に定義することから始めましょう。

例えば、「インシデント対応の迅速化を図り、事業継続性を確保する」「サプライチェーン全体のセキュリティレベルを向上させる」といった目的が考えられます。

その上で、策定した構想を基に経営層へ説明し、セキュリティ対策が単なるコストではなく、事業継続を左右する重要な経営課題であることを認識してもらうプロセスが不可欠です。

インシデント発生時の想定される事業損失額や、同業他社の被害事例、あるいは取引先からのセキュリティ要件といった事業リスクの観点から説明することが、承認と予算獲得の鍵となります。

具体的な数値や影響範囲を示すことで、経営層も自分事として捉えやすくなるのです。

Step2:構築|スモールスタートで体制とルールを整備する

構想・計画フェーズで経営層の承認を得たら、次はいよいよ具体的な体制の構築に入ります。

しかし、多くの企業が人手不足に悩む中で、いきなり大規模な専任チームを作るのは現実的ではありません。

そこで推奨したいのが、「スモールスタート」です。

情報システム部門の担当者だけでなく、法務や広報、人事など、関連部署のキーパーソンを兼任メンバーとして巻き込み、「仮想CSIRT」として立ち上げることから始めましょう。

これにより、多角的な視点を取り入れつつ、最小限のリソースで体制をスタートできます。

この段階で整備すべきものとしては、まず「リーダーと各メンバーの役割分担を定めた体制図」が必要です。

誰がどのような責任を持ち、どの範囲の業務を担当するのかを明確にしましょう。

次に、インシデントを発見した際の「報告ルート」や、対応の「判断基準」を定めた基本的なルール、すなわち「インシデントハンドリング手順」の骨子を作成します。

完璧を目指すのではなく、まずは最低限のフローを定義することが重要です。

また、緊急時に速やかに連絡が取れるよう「関係者の連絡先リスト」を作成し、情報共有に使う「チャットツール」などの基盤もこの段階で整えておきましょう。

まずはこれらの最低限の骨格を作ることで、CSIRTとしての活動を開始する準備が整います。

Step3:運用|インシデント対応フローを確立し、定着させる

構築した体制とルールは、実際に運用してみることでその真価が問われます。

このステップでは、定義したインシデント対応フローを日常業務の中で動かし、定着させていくことに注力しましょう。

まずは、日々発生するセキュリティアラートや、従業員からの「不審なメールが届いた」といった報告を、策定したフローに沿って処理するところから始めます。

運用を開始すると、初めは想定通りに進まないことや、手順の不備、役割の曖昧な点などが明らかになることが多くあります。

しかし、実際にインシデント(あるいはその疑いのある事象)を経験することで、それらの課題が明確になります。

重要なのは、そこで立ち止まらず、課題を一つずつ丁寧に潰し、対応プロセスを洗練させていくことです。

この繰り返しによって、CSIRTの対応能力は着実に向上し、インシデント発生時の混乱を最小限に抑えることができるようになります。

Step4:改善|訓練と評価で対応能力を継続的に向上させる

CSIRTの活動は、一度体制を作って終わりではありません。

サイバー攻撃の手法は常に進化しており、CSIRTもまた、継続的な改善を通じて対応能力を向上させ続ける必要があります。

このステップでは、そのための具体的な手法として「訓練」の実施を強く推奨します。

例えば、ランサムウェア感染やWebサイト改ざんといった特定のシナリオを想定した「机上訓練」を定期的に行い、インシデント対応手順の有効性やチーム内の連携能力を確認しましょう。

さらに、可能であれば、実際にダミーの攻撃を仕掛ける「実践的な演習」を行うことで、よりリアルな状況での対応力を試すことも有効です。

これらの訓練を通じて、潜在的な課題を洗い出し、対応手順を見直すことができます。

また、過去に対応したインシデントの記録を基に原因分析を行い、再発防止策を講じることも重要です。

対応時間や復旧までの期間といったKPI(重要業績評価指標)を測定し、CSIRTの活動成果を客観的に可視化して経営層に報告することで、CSIRTの価値を組織に示すことができます。

このような継続的な「訓練」「評価」「改善」のサイクルを回すことで、CSIRTは常に進化し、組織全体のセキュリティレベルを確実に高めていくことができるのです。

CSIRTの人手不足を解消する2つの具体的アプローチ



CSIRTの重要性を理解し、その構築に意欲があっても、多くの企業が「人手不足」という根深い課題に直面しています。

自社リソースだけで完璧なCSIRTを目指すことは、現実的に非常に困難です。

このセクションでは、そうした課題を解決し、CSIRTを効率的かつ効果的に機能させるための具体的な2つのアプローチをご紹介します。

アプローチ1:外部の専門家を活用する「CSIRT運用支援サービス」

セキュリティ担当者の人手不足と、CSIRTの活動に必要な高度なスキル不足を同時に解決する有効な手段として、「CSIRT運用支援サービス」の活用が挙げられます。

具体的なサービス内容としては、平時の脆弱性診断や最新の脅威情報の提供、セキュリティポリシーの策定支援などが含まれます。

また、万が一インシデントが発生した際には、フォレンジック調査や復旧作業といった緊急対応支援を受けることも可能です。

さらに、担当者向けのセキュリティ教育や訓練の実施、CSIRT体制そのものの構築に関するコンサルティングなど、企業のニーズに応じた幅広いサポートが提供されています。

外部サービスを活用する最大のメリットは、自社だけでは確保が難しい専門知識と経験を即座に活用できる点にあります。

例えば、24時間365日体制での監視やインシデント対応など、自社で構築するには多大なリソースとコストが必要な体制も、外部サービスを利用することで実現可能になります。

これにより、担当者はインシデント対応への不安を軽減し、「予測可能で再現性のある安心感」を得ることができます。

アプローチ2:ツール導入による「自動化・効率化」

CSIRTの人手不足を補うもう一つの有効なアプローチは、セキュリティ運用を自動化・効率化するツールの導入です。

特に近年注目されているのが、SOAR(Security Orchestration, Automation, and Response)やXDR(Extended Detection and Response)といった先進的なツールです。

SOARは、複数のセキュリティ製品から集約されるアラート情報を相関分析し、事前に定義されたルール(プレイブック)に基づいて、インシデント対応の定型作業を自動実行します。

例えば、「不審なファイルを検知したら自動的にネットワークから隔離する」「異常なログインを検知したらアカウントを一時的にロックする」といった対応を迅速に行うことが可能です。

これにより、担当者の手作業による負担を大幅に削減し、対応の迅速化と人的ミスの削減に貢献します。

一方、XDRはエンドポイント、ネットワーク、クラウド、メールなど、多岐にわたるセキュリティレイヤーからのデータを統合し、より広範な脅威を検知・分析・対応する能力を提供します。

これにより、従来の個別のセキュリティ製品では見逃されがちだった高度なサイバー攻撃の兆候も早期に発見し、一元的な対応が可能になります。

これらのツールを導入することで、セキュリティ運用の自動化と標準化が実現され、人手不足の中でもCSIRTの対応能力を向上させることができます。

ただし、ツールを最大限に活用するには、導入後の運用スキルや初期投資コストも考慮する必要がある点には注意が必要です。

【事例紹介】CSIRT業務支援で担当者の負荷を軽減しコア業務へ集中



CSIRT業務支援サービスを導入し、課題を解決したお客様の事例をご紹介します。

お悩み
・セキュリティ担当者のリソースが不足しているために、本来注力すべきコア業務に集中できない
・セキュリティ業務が多岐にわたり、担当者の業務負荷が極めて高い

システナのCISRT支援
CSIRT業務支援サービスを導入した結果、不審なメールへの対処や脆弱性対応といったCSIRTの定常的な業務がサービス提供側に巻き取られました。

さらに、Microsoft Defender for Identityの検証や本番環境構築支援、報告書作成、生成AIガイドライン作成支援など、CSIRT業務以外に発生するセキュリティ関連業務も幅広くサポートしました。

お客様のメリット
お客様のセキュリティ担当者は日々の運用業務から解放され、戦略的なセキュリティ施策の立案や推進といった、より重要度の高いコア業務に集中できるようになりました。

この事例が示すように、外部の専門家を活用することで、担当者の業務負荷が軽減され、組織全体の生産性向上にもつながります。

失敗しない!外部CSIRT支援サービス選定の3つのポイント



外部のCSIRT支援サービスは、自社のセキュリティ強化を考える上で非常に有効な選択肢です。

しかし、数多くのサービスの中から自社に最適なパートナーを見つけるのは容易ではありません。

ここでは、外部CSIRT支援サービスを選定する際に、セキュリティ担当者の皆様が必ず確認すべき3つのポイントを具体的に解説していきます。

ポイント1:自社の状況に合ったサービス範囲か

外部CSIRT支援サービスを選定する際、まず最も重要となるのが、提供されるサービス範囲が自社のニーズと合致しているかという点です。

最初に自社が「何を、どこまで、外部のパートナーに任せたいのか」を明確にすることから始めましょう。

たとえば、「インシデント発生時の緊急対応だけを依頼したい」のか、それとも「平時の監視から対応までの一連の業務を丸ごと任せたい」のか、あるいは「CSIRT体制構築のコンサルティングから支援してほしい」といったように、企業のフェーズや直面している課題によって求める支援は大きく異なります。

提供されるサービスメニューが、自社の抱える課題感、現在のセキュリティ体制の成熟度、そして確保できる予算に合っているかを慎重に見極める必要があります。

過剰なサービスはコスト増につながり、不足しているサービスでは課題解決に至りません。

自社の「今」を正確に把握し、その上で最適なサービス範囲を持つパートナーを選ぶことが、失敗しないための第一歩です。

ポイント2:連携体制と報告プロセスは明確か

外部CSIRT支援サービスを利用する上で、サービス提供者との「連携体制」と「報告プロセス」が明確であるかどうかの確認は非常に重要です。

これは、セキュリティ担当者の方々がサービスに求める「予測可能で再現性のある安心感」に直結する要素だからです。

具体的に確認すべき点としては、まずインシデント発生時の連絡手段やエスカレーションフローが明確に定められているかを確認しましょう。

有事の際に、誰が、いつ、どのような情報を、どのチャネルで連絡してくるのかが不明確では、初動対応の遅れにつながりかねません。

また、自社とサービス提供者との責任分界点(SLA:Service Level Agreement)が明確に合意されているかも重要なポイントです。

これにより、それぞれの役割と責任範囲が明確になり、認識の齟齬を防ぐことができます。

さらに、定期的な打ち合わせの頻度や形式、そして経営層にも説明可能な形式での報告書(活動内容やKPIを含む)が提供されるかどうかも確認が必要です。

活動内容がブラックボックス化せず、透明性のあるパートナーを選ぶことで、平時においてもCSIRT活動の状況を把握し、必要に応じて説明責任を果たすことができるようになります。

ポイント3:実績と専門性は十分か

外部CSIRT支援サービスを選定する際の3つ目のポイントは、サービス提供者の「実績」と「専門性」が十分に備わっているかを見極めることです。

まず、自社と同じ業種や、同程度の企業規模の顧客への支援実績があるかを確認しましょう。

業界特有のシステム環境や法規制、ビジネス慣習への理解が期待できるため、より実情に即した支援を受けられる可能性が高まります。

また、サービスを担当するアナリストやエンジニアが保有するセキュリティ関連資格(例:CISSP、GIACなど)や、過去に対応したインシデントの種類や事例などを確認し、技術的な専門性の高さを判断することも重要です。

ウェブサイトや導入事例だけでなく、実際に担当者と面談し、その人柄やコミュニケーション能力を含め、信頼できる相手かどうかを見極めるプロセスも推奨します。

長期的なパートナーシップを築く上で、技術力だけでなく、人間的な信頼関係も非常に重要な要素となるからです。

まとめ:CSIRT構築は自社だけで抱え込まないことが成功の鍵



ここまで、CSIRTの基本的な役割から、多くの企業が直面する「人手」「スキル」「予算」の課題、そしてそれらを乗り越えるための具体的なステップや外部リソースの活用方法について解説してきました。

サイバー攻撃が高度化し、インシデント発生時の被害が甚大化する現代において、CSIRTの存在は事業継続に不可欠です。

しかし、理想的なCSIRTをゼロから自社だけで構築し、運用し続けることは、多くの企業にとって現実的に難しい課題であることも事実です。

この記事を通じて一貫してお伝えしたかったのは、完璧を目指してすべてを自社で抱え込む必要はない、ということです。

むしろ、外部の専門家が提供するCSIRT業務支援サービスや、セキュリティ運用を効率化するツールを賢く活用することこそが、特に人手不足に悩む企業にとって現実的かつ成功への近道となります。

インシデント対応の不安や、組織のセキュリティ責任を一人で抱え込む必要はありません。

信頼できるパートナーの知識と経験、そして最新のテクノロジーの力を借りて、自社に最適な形でセキュリティ体制を強化していく一歩を踏み出してみませんか。

それが、予測可能で再現性のある安心感を組織にもたらし、ひいては皆さま自身の業務負荷軽減にもつながるはずです。

株式会社システナのCSIRT運用支援

システナでは、CSIRT内でのインシデント検知からセキュリティ事故の教育資料作成、研修実施まで、ワンストップで迅速なインシデント対応とセキュリティリテラシー向上を実現します。

また、運用と監査を統合し、継続的なセキュリティ改善を実現します。

CSIRT運用支援についてご興味・ご不安がある方は、お気軽にご相談ください。

システナ|ITマネジメント事業本部
システナ|ITマネジメント事業本部
IT戦略を実現するために、PMOや業務自動化・デジタル化推進、システム構築・運用、ヘルプデスク、人材育成などのITに関する様々なアウトソーシングサービスを提供しています。 お客様のビジネスの発展に寄与できる“お客様にとってのIT&DXサービスNo.1パートナー”を目指し、価値ある情報をお届けしていきます。

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